夏に増える耳のトラブルがあるという(写真はイメージ=GettyImages)
夏に増える耳のトラブルがあるという(写真はイメージ=GettyImages)
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 イヤホンをして音楽を聴いたり、動画を見たりする人が多いなか、高温多湿の夏場に気をつけたい耳のトラブルが「耳カビ」(外耳道真菌症)だ。見えにくい耳の奥にカビが生えてしまうもので、放置しておくと重篤な状態につながるおそれもある。聞こえの違和感やかゆみを軽視しないほうがよさそうだ。

【閲覧注意】耳の内部で繁殖した「耳カビ」。放置すると悪化するおそれがある

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「耳がかゆい、とにかくかゆい」
「耳の奥が、ずしずしと痛む」
「プールに入ってもいいでしょうか」

 7月から8月、横浜市都筑区の「そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院」には、そんな耳の症状を訴えて訪れる患者が多くなるという。

 院長の内尾紀彦さんが耳を調べると、多くの患者が細菌性の外耳炎。しかし、1割弱は耳の奥で緑色や白色の真菌(カビ)が繁殖した「耳カビ」(外耳道真菌症)の患者だという。

 一般的な「外耳炎」は、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に細菌が繁殖して炎症を起こすものだが、「耳カビ」は細菌ではなく真菌が繁殖し、かゆみや耳だれ(耳から出る分泌物)、痛みといった症状が表れる。

「自分の声が頭に響くような違和感や、二重に聞こえるような感覚になる方もいらっしゃいます。痛みは外耳炎より強く、耳の奥で感じやすいようです」(内尾さん)
 

危険性を高めるイヤホン

 耳カビの患者が夏に増える要因は、気温と湿度が高い季節であること。そして最近では、イヤホンの多用だと見られている。

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