
多くの日本企業は3月末に決算、月末に中間決算を迎えることから、3月と9月に株主優待を提供する銘柄が集中する。2月と8月は「端境期(はざかいき)」で、特に夏季休暇で取引が減少する8月は「夏枯れ相場」と呼ばれているが、「むしろ8月にお宝銘柄がある」と言うのは250銘柄の優待株を保有し、株のコラムを執筆する“優待弁護士”こと澤井康生さん。澤井さんに、8月決算でおすすめの株主優待の銘柄と、株を購入する際のポイントを聞いた。
【表】“優待弁護士”おススメの8月の“お宝”株主優待15はこちら!
トランプ米大統領が就任してから“トランプ関税”に端を発した株価の乱高下が続いている。株価の動向に一喜一憂せず、中長期の保有で安定したリターンが得られるのが優待株だ。
金券やおこめ券などがたくさん
「優待株の投資家は長期保有者が多く、為替の影響で株価が乱高下する半導体関連株とは違い、優待株の株価は比較的安定しています。日経平均が暴落したときでもそれほど影響を受けにくく、投資の初心者にとっては安心できる投資スタイルです。特に、物価高の今は、家計の節約に役立つ外食チェーンやスーパー、家電量販店などでは値上げ効果で好業績が続き、優待を拡大させている企業もあります。そういう企業の株主優待をチェックしておくといいでしょう」(澤井さん)
8月末に権利確定日を迎える企業の株主優待のなかには、金券やおこめ券などが意外とたくさんあるという。
「8月末に権利確定日を迎える優待銘柄は約120あり、金券やおこめ券のほか食事券など、バラエティー豊かにそろっています。年に2回優待を実施したり、優待を拡充したりする銘柄も増えているので、物価高の今、家計の足しにするには十分だと思います」
そこで、澤井さんに選んでもらったのが下の表の15銘柄。4万円台から30万円台まで比較的少ない予算で購入でき、かつ高配当。勤め人にとって目下の悩みの種のひとつは、家計が逼迫するなかでのランチ代。毎日お弁当持参では味気ないし、そうかといって外食続きではお小遣いが持たない。そんなときこそ役立つのが「食事券」だ。
