首位ターンではなかったが、前半戦は2位につけ、後半戦開幕直後に一時は首位に0.5ゲーム差と迫りながら、終わってみれば5位だったのが、2019年の日本ハムだ。
同年、3年ぶりV奪回を狙った栗山英樹監督は「常識を疑え」を合言葉に、オープナーや極端な守備シフトなどの大胆采配を次々に披露。6月まで負けが一つ先行していたチームも、7月初旬に6勝3敗と上昇気流に乗り、首位・ソフトバンクに7ゲーム差の2位、41勝39敗4分で前半戦を終えた。
そして、後半戦が始まると、10勝3敗と急加速し、7月終了時にはソフトバンクに0.5ゲーム差と肉薄した。
だが、6月に左膝骨折で戦線離脱した上沢直之不在の影響などから8月に息切れし、月前半の13試合で1勝12敗と急失速。球団ワーストタイの月間20敗を記録するなど、首位に0.5差からたった1カ月で単独最下位に沈んだ。
その後、最下位から脱出したものの、5位でシーズン終了。栗山監督も「悔しい思いをしながら、いろいろと学ばせてもらいました」と自省した。
今回紹介したチームは、いずれも選手の体力が消耗する8月に失速している。今季の阪神も、“鬼門”の8月をどう乗り切るかが、Vへの大きなカギを握っている。
(文:久保田龍雄)
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