大和証券の橋詰大輔氏(photo 加藤裕則)
大和証券の橋詰大輔氏(photo 加藤裕則)

 ――野党が伸長した場合、財政規律が緩んで日本の財政を不安視する声もありました。

 「国民民主は予算を伴う法案を提出できる21議席を上回りました。ただ、消費税の段階的な廃止を訴えていた参政党は躍進したものの、21議席には届きませんでした。消費税は国の税収の3分の1ほどになります。こうした選挙結果からも、金融マーケットは比較的、落ち着いています」

 ――今後の物価や、各党の動きをどう見ていますか。

 「物価の現状として、実は輸入物価は今年、前年比でマイナスになっています。このため年後半に向かって物価全体が落ち着いてくるのではと見ています。このため実質賃金も改善していくと予想しています。そこに何らかの物価高対策が加われば、さらに改善が見込めます。実質賃金は年後半に前年比でプラス転換もあり得ると考えます」

 「参院選で物価高対策として、各党が消費減税を主張しました。ただ、国民民主は一律5%、参政党は段階的な廃止、立憲民主は食料品のゼロなど足並みがそろっていません。これを一つにまとめるのは大変な作業で、早期に消費税の減税対策は打ち出しにくいと見ています。いずれにしても、方向感を見定めるには、今後の政権の枠組みを見ていく必要がありますね」

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