「高齢女性は子供産めない」発言の反響
なかでも注目されているのが、神谷氏が7月3日の街頭演説で行った「高齢の女性は子どもが産めない」発言だ。これには支持者から「当たり前のことだ」といった賛同のコメントが出る一方で、批判的なネットユーザーからは「女性蔑視だ」との声も絶えない。
なお、神谷氏はXで、これらの批判に対して「女性には適齢期があるから歳を重ねていけば出産ができなくなるのは生物として当然のこと。だから適齢期に出産できる社会環境を政治の力でつくろうと言ったことを叩く意味がわかりません」と反論している。
「アンチコメント」が最高の追い風に
初めに言っておくが、筆者は参政党の支持者ではない。むしろ政策やスタンスは、ほとんど正反対と言っていいだろう。ただ、長年のSNSウオッチャーとしては、いまの時代に合った「うまい見せ方」をしているなと、主にマーケティング面で感心している。
昨今のSNSを見ていると、「キッパリした態度」と「対立構造」がウケる傾向がある。政治で言えば、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が、市議への苦言を呈する「切り抜き動画」で人気を集めたのが代表例だ。
兵庫県の斎藤元彦知事が、その素質を問われながら“出直し選挙”を制したのも、「県政改革を止めるか、止めないか」を最大の争点にしたからだろう。ひとたびブレない姿勢が支持されると、寄せられるアンチコメントは、反対に「主張が正当である裏付け」として評価される。その結果、さらに存在感が増し、風が吹くのだ。
多くのSNSでは「その人に合った投稿」が、おすすめとして表示される。論点を明確かつ短くしつつ、リーダーシップを感じさせる表現手法は、その性質にピッタリだ。こうした背景を考えると、参政党はSNS時代の戦い方に合っている。