
スピリチュアル系YouTuberもウハウハ
一方で、まさに「予言」の出どころでも大きな金の動きがあった。2021年に発売された、たつき氏の著書「私が見た未来・完全版」(飛鳥新社)は、予言日を迎える前から爆発的に売れ続け、累計発行部数は106万部(電子版含む)を突破している。
「定価1200円、印税率10%とすれば、たつき氏には1億2700万円ほどのお金が転がり込んだことになります。税金で差し引かれたとしても、手元には6000万円以上は残るでしょう。版元の飛鳥新社もおそらく4億円近い粗利が出ているのでは。たつき氏本人は週刊誌『FLASH』のインタビューで『あの本は予言ではない』と説明し、『生活は何も変わっていません』と語っていましたが、今年6月15日に発売された新刊『天使の遺言』もベストテン入りしており、大きなお金が動いたのは間違いないでしょう」(出版プロデューサー)
また、この本を“ネタ元”にして便乗していたのがスピリチュアル系や都市伝説系のYouTuberたちだった。
「7月5日の大災難に絡めた動画を次々と公開し、それが軒並み視聴され、再生回数は大幅に増加していました。中には1000万円近い広告収益があったとみられるチャンネルもあります。たつき氏の予言に便乗して大規模イベントを開催した人たちもいて、彼らにとって“7月5日”はまさに金のなる木となりました。『日付・都市・災害』の3つを組み合わせれば誰でも“それっぽい予言”ができ、それを繰り返せば再生数は爆伸びし、動画一本で莫大(ばくだい)な広告収益が得られる。倫理観を捨てれば、スピリチュアル系の動画は最強のマネタイズツールになることが証明されたかっこうです」(YouTubeライター)
今回の“7月5日騒動”では、誰が得して誰が損したのかが浮き彫りになった。予言は現実にならなかったが、マネーは確実に動いていたのである。
(泉康一)
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