FiRIN 20mm F2 FE MF
FiRIN 20mm F2 FE MF
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新レンズシリーズはα7 用のMF 広角から

 ソニーEマウント用のフルサイズ対応単焦点広角レンズで、FiRIN(フィリン)と名づけられた新シリーズだ。

 レンズ内にCPUや撮影距離のエンコーダーを内蔵。マウント面にはボディーと通信を行うための電子接点があり、焦点距離や絞り値情報などをExifデータに反映できるほか、ソニーαボディーに内蔵される手ブレ補正機能や、ボディー内レンズ補正機能なども利用できる。AFではないことと、自動絞りでないこと以外は純正レンズと変わらないと考えていい。あえてMFにしたのは、「操作する喜びをターゲットとしたため」とのこと。AFでは理想的なフォーカス機構にできないというメカ要因もあったかもしれないが、この焦点距離であればMFでも使いやすいという提案なのだろう。

 α7シリーズにMFのクラシックレンズを組み合わせた楽しみ方が一定の市民権を得ていることも影響しているはずだ。筆者も最初は「えー、AFじゃないのか」と思ったが、使ってみると特に不自由はなく、アリだと感じた。今後のFiRINシリーズの展開は不明だが、メーカー純正とは方向性の異なる、使って楽しいレンズを期待したい。

最短撮影距離は28センチ。できれば20センチまで寄れたらよかった。ただし、開放F2なので近接時のボケ量は大きい。光点ボケはエッジが明確なのでこういうシーンではにぎやかな印象になる。口径食は少ない●ソニー α7RII・絞り優先AE(絞りf2・320分の1秒・-1/3補正)・ISO100・AWB・RAW
最短撮影距離は28センチ。できれば20センチまで寄れたらよかった。ただし、開放F2なので近接時のボケ量は大きい。光点ボケはエッジが明確なのでこういうシーンではにぎやかな印象になる。口径食は少ない●ソニー α7RII・絞り優先AE(絞りf2・320分の1秒・-1/3補正)・ISO100・AWB・RAW

デザイン
ピントリングのフィート表示がうぐいす色なのがトキナーらしい。金属を多用したマットな質感の鏡胴はとても落ち着いた雰囲気。金や赤の色つきリングなどを採用しなかったのは好印象

使用感・操作感
絞りリングのクリックの感触はやや安っぽい印象だが、動画時にクリックを解除できる機能もある。自動絞りではないので、実絞り撮影になり、ピーキングや拡大機能を併用してもピントが見極めにくい

描写性
写りは見事だった。像の平面性がビシッと出ており、周辺でも乱れは最小限。20ミリ広角とはいえ大口径なので近距離撮影ではボケも楽しめる。ボケは輪郭が強調されるので、光点のボケはちょっとにぎやかだ

◆河田一規

●焦点距離・F値:20ミリ・F2●レンズ構成:11群13枚(SDガラス3枚、非球面レンズ2枚)●画角:92.66°●最短撮影距離:0.28メートル●最大撮影倍率:1:10.29●フィルター径:φ62ミリ●大きさ・重さ:φ69×81.5ミリ・490グラム●価格:未定●URL:http://www.tokina.co.jp/