
結婚はどちらでもいい
注目したいのは、職場環境が結婚意欲に影響を与えているという調査結果だ。
リクルートブライダル総研の「恋愛・結婚調査2023」によると、未婚女性の場合「結婚の意向がある」と「ない」の差が最も開いたのは、「既婚者が多い職場」で働く人だった。次点の「短時間勤務等、職場に育児との両立支援制度がある職場」を大きく引き離す結果となった。つまり、“結婚後も働き続けるロールモデルが職場にいること”が、結婚意欲に大いに影響を与えているということなのだ。
同時に、女性たちの結婚への意欲が低くなる職場は、結婚が仕事とのトレードオフになってしまう環境と言える。働き続けることが前提になる時代に、結婚や出産をすることで、自分の描くキャリアを積めないとなったら──。結婚に消極的になってしまうのは明らかだろう。
そんな中、同総研の「結婚したい人の割合」のデータでは、2019年以降は「結婚はどちらでもいい」と答える層が増加し、その傾斜は女性の方が顕著だ。落合さんは、そこに着目していると言う。
「『結婚は一人前の代名詞』と考えられていた時代から、本当に良い条件や状況が整ったらする選択制になっている点がポイントだと思います」
世間体ではなく、その人らしさの表現の一つとしての結婚。それが令和の時代の特徴となっている。
(フリーランス記者・小野ヒデコ)
※AERA 2025年7月14日号より抜粋
こちらの記事もおすすめ 【もっと読む】結婚にもタイパとコスパ求める令和時代 男女ともに稼げる人から結婚していく傾向