厚生労働省によると、2024年の婚姻件数は約48万5千組で、2014年の約64万3千組より減少している。結婚に対する意識が、若い世代を中心に変化している(写真:gettyimages)
厚生労働省によると、2024年の婚姻件数は約48万5千組で、2014年の約64万3千組より減少している。結婚に対する意識が、若い世代を中心に変化している(写真:gettyimages)
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 厚生労働省によると、2024年の婚姻件数は2014年と比較すると15万8千人減少している。生き方や働き方が多様化し、結婚に対する価値観も変化している。令和時代の結婚のトレンドとは。AERA 2025年7月14日号より。

【気になる数字】職場環境別にみた女性の結婚意向(グラフ)

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 共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回ってから約30年。女性の社会進出は進み続けている。そんな時代に結婚を考えたとき、女性は男性に何を求めるのだろう。

「相手の年収は第一条件ではなかったです。私の収入が低くないこともありますが、経済面よりも性格が合うかを重視しました」

 そう話すのは、最近結婚したばかりの東京都在住の会社員の女性(29)だ。現時点では「専業主婦の願望はない」ときっぱり。交友関係が狭まることの懸念から、「少なくとも子どもができるまではバリバリ働こうと思っています」と話す。

 その言葉にうなずく会社員の夫(31)は「僕も共働きの意識でいました。二人で協力していけたらと思っています」と話す。

 そんな二人が出会ったのはマッチングアプリだ。社会人になってからはそれぞれ仕事が忙しく、日々の生活の中で出会うことが難しくなったと感じて、登録したという。周囲でもマッチングアプリ利用者は多く、結婚に至るケースも少なくない。アプリ上のプロフィルに載せる写真や紹介文を友人に気軽に相談するほど、カジュアルに利用している人が多いという。

「職場恋愛があまりなかったので、紹介かアプリかみたいな選択肢でした」(女性)

 アプリで出会い、夫も妻も共働きを前提に結婚しているスタイルがなんとも「令和」らしいが、ここに至るまでに結婚のトレンドは、どう変化してきたのか。

『専門家が教える 今さら聞けない 結婚の超基本』(朝日新聞出版)では「ゼクシィ結婚トレンド調査」を元に、最近の結婚事情を数値で紹介している。

結婚もタイパとコスパ

 たとえば2024年版の同調査によると「結婚時の平均年齢」は男性30.1歳、女性29.0歳、「結婚時の平均年収」は男性499.5万円、女性370.2万円とある。

 10年前の2014年と比較すると、年齢は男性30.3歳、女性28.8歳とさほど変わらないのに対し、結婚時の平均年収は男性419.6万円、女性299.7万円に留まる。男女共に平均年収が大幅に上昇していることがわかる。

 これらの事象は裏返せば、男女ともにある程度の年収がある人から結婚していく時代になったということでもあるだろう。

(フリーランス記者・小野ヒデコ)

AERA 2025年7月14日号より抜粋

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