続く3位には、8得点で北川航也(清水エスパルス)とラファエル・エリアス(京都サンガF.C.)の2人、5位では7得点で稲垣祥(名古屋グランパス)、宮代大聖(ヴィッセル神戸)、鈴木優磨(鹿島アントラーズ)の3人が並んでいる。

 この中でボランチの稲垣、インサイドハーフ起用の宮代の2人は、ここまでの得点数が大いに賞賛されるべきだが、「得点王争い」を考えるとポジション的に不利になる。左サイドなど万能プレイヤーとして起用されていることの多い鈴木も、PKキッカーを任されてる(今季PKで3得点)を点は大きいが、チームメイトにレオ・セアラがいる分、サポート役に回ることも多い。その鈴木以上のPKの割合が多いのが北川で、8得点中5得点がPKだ。得点王になるにはやはり流れの中からのゴール量産が求められる。

 候補は多いが、7月以降の後半戦で爆発するとすれば、来日2年目のラファエル・エリアスだろう。

 昨夏に来日するとリーグ戦15試合11得点で救世主となったブラジル人FW。今季も開幕7戦目までに3ゴールと順調にゴールを重ねると、4月6日の第9節の鹿島戦では圧巻のハットトリックをマークするなど4月までの14試合で8得点をマークした。

 特筆すべきはシュートのパターンの多さと積極性。今季の8得点の内訳は左足3(PK1)、右足1、頭3で、1試合平均シュート数2.8本はトップ。5月以降の怪我の影響で8試合中2試合に途中出場したのみで得点数がストップしていたが、7月1日から全体練習に合流。試合勘も含めてまだ少し時間はかかるだろうが、フィニッシャーとしての能力は疑いようがなく、コンディションが万全ならば間違いなく点は取れる。チーム自体も好調で、チャンスも多く訪れるはずだ。

 残りは16試合。現在の得点数と得点能力、チーム状況を考えると、レオ・セアラ、ラファエル・ハットン、ラファエル・エリアスの3人のブラジル人FWの三つ巴の得点王争いが予想される。昨季はアンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス、24得点)が2年連続で得点王に輝き、過去10シーズンの得点ランキングトップの平均は21.5得点だ。まずは20得点が最低ライン。タフさが求められる真夏の戦いの中では、これまで以上にゴールゲッターたちの個人能力が求められることになる。

(文・三和直樹)

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