超高性能を狙った大口径中望遠
シグマの山木和人社長自らが、発表時にカール ツァイスのOtus(オータス)1.4/85をリスペクトして作ったと本誌インタビューでも語っており、かなり気合の入った製品に仕上がっている。
それは、性能追求のためなら携行性や収納性を無視するという宣言のようにもとれる。もっともOtusはMFレンズであり、本レンズはAFであるから思想が異なる。
描写性能を追求をするためにはここまでやらねばならないところまできているとすれば、いろいろと考えさせられる。実際、本レンズを化粧箱から取り出した時に、思わず「あっ」と声が出てしまったほどだ。外観だけを比較してもOtusと十分に勝負できるほど迫力があるのだ。
デザイン
12群14枚構成だが、素人目にも望遠レンズには見えない。重量1130グラム、フィルター径はφ86ミリで、カメラバッグの仕切りを変えないと入らない。外装の仕上げはArtシリーズ共通の美しいブラック
使用感・操作感
一眼レフで手持ちで長時間保持すると腕はかなり疲労する。電磁絞り採用なのでニコンマウント用では、フィルム一眼レフの撮影は不可能。非常に大きなレンズだが、AFは高速
描写性
合焦点は超絶のシャープネスで、ほかの同じ焦点距離/開放F値のレンズより被写界深度が浅く見える。フレアやハロがなくフォーカスに厚みがないからだ。ボケは大きく空の書き割りのようだ
◆赤城耕一
●焦点距離・F値:85ミリ・F1.4●レンズ構成:12群14枚(SLDガラス2枚、非球面レンズ1枚)●画角:28.6°●最短撮影距離:85センチ●最大撮影倍率:1:8.5●フィルター径:φ86ミリ●マウント:シグマ、ニコン(電磁絞り対応カメラ)、キヤノン●大きさ・重さ:φ94.7×126.2ミリ・1130グラム●価格:税別16万円(実売13万6850円)●URL:http://www.sigma-global.com/jp/