当然、切符売り場も縮小の一途。最近は「売り場があるだけありがたい」という心境(写真/本人提供)
当然、切符売り場も縮小の一途。最近は「売り場があるだけありがたい」という心境(写真/本人提供)

 そして、少なからぬ駅から「乗り越し精算機」が消えてしまい、乗り越した時は外に出られない。どうするかというと、駅員さんを呼び出すボタンを必死に探して助けを求めるのである。

 極め付けは、旧タイプの切符券売機の「動き」が非常に悪くなったことである。老朽化したものがそのままになっているためか、お金を入れてから数秒間、「ええと、オレの仕事ってなんだっけ?」って感じでフリーズすることが少なくない。あるいはあまりにヒマなので昼寝でもしているのかも。さらに困るのは、新札が認識できないのか何度入れても戻ってきてしまうこと。旧札減っているのに!

 ということで、私は身をもって、世のマイノリティというものが日々どのように窮地に追い込まれていくかを時々刻々味わうという、大変貴重な体験をさせて頂いているのである。それがあまりに貴重なため、もうこうなったら切符というものが世の中から消えるその日まで、ほぼ誰にも歓迎されないであろう「切符派」であり続けようと密かに心に誓うのであった。

 また何か起きたらご報告するのでお楽しみに!

AERA 2025年7月7日号

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