「チューブを使えば全部吐けるから、際限がなく食べてしまう。胃壁を傷つけるから血が混じった胃液が出ることもあったし、吐きすぎて心臓のあたりが痛くなることもあるけど、太るのが怖くてやめられない。沼るから絶対に手を出さないほうがいいですね」
体重計に「あなたとはお別れします」
桃奈さんは、現在も吐くことを完全にやめられたわけではない。それでも、自分の問題と向き合い、やめる努力を始めたことは大きな一歩だった。
「ちょっと前ですね。体重計に、『もうあなたとはお別れします』って手紙を書いて捨てたんです。それまでは、毎日体重計に乗って一喜一憂していたから」
桃奈さんの場合、外見で摂食障害とわかるほど極端な痩せ方をしていたわけではない。身長160cmに対し、痩せても40kgほど。ゆえに、誰にも気づいてもらえない孤独もあったという。
食べるって大切なんだな
食べては吐き、吐かない日があると、逆に怖くて夕食が食べられなかった。今は、少しずつ食べられるようになった。
「それまでは階段を上るのもしんどいし、散歩してもすぐ息切れしていたけど、お米を食べるようになったら、体の可動域が増えて動きやすいし、気持ちもちょっとだけ安定した。食べるって大切なんだなって思いました」
食事が日々の活動エネルギーや体をつくる。「当たり前」のことだが、その「当たり前」から、ほど遠い生活をしていたということだ。
(ライター インベカヲリ☆)
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