
もうひとつが国際化です。上智大学は98カ国の学生が学んでおり、グローバル化に定評がある大学です。その多様性を生かし、もっと交流できるキャンパスにしていきたい。またこれまでの国際化は、モビリティーの量的な拡大が注視されてきたのですが、ここ最近起きている国際情勢の変化をみると、考え直す必要があると感じます。もう一度国際化の必要性と意義を考え直して、上智大学から新しい国際化のモデルを発信したいですね。
――今年の日本のジェンダーギャップ指数は、世界118位と依然低いままです。ジェンダーへの取り組みはどうなっていますか。
杉村 本学全体では6:4と女子学生が多く、理工学部の教員は男性106人に対し女性25人、大学院博士前期課程の在籍数は男性596人対531人とほぼ5:5で、女子学生が約半数を占めており、ジェンダーギャップが少ない方です。ただ、女子学生は大学で伸び伸びと過ごした分、社会に出てからのギャップに戸惑うかもしれません。社会に出てからもリーダーとして活躍してほしいと、「30% Club Japan大学グループ」に加入しています。イギリスで設立された女性の活躍を推進する組織で、日本では東京大学やお茶の水女子大学など、9大学が参加しています。
――最後に、どのような学長になりたいと考えていますか。
杉村 みんなに寄り添って、みんなが繋がるような場を作ることが、学長としての私の使命だと考えています。海外の友人がお祝いに「渡り鳥がV字を作って空を飛ぶ時の、先頭のような存在」とエールをくれました。V字の編成は、エネルギー効率が一番いいそうです(笑)。学生、教職員、卒業生の皆さんと一緒に、編成を組んで進んでいきたいと思います。
(聞き手・構成/ライター 柿崎明子)
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