AERA 2025年6月30日号より
AERA 2025年6月30日号より

 そんなライクレのシーンも含めて、完成した作品を観たときは……2回観たんですけど2回とも泣かされました。こんな応援されたら泣けてくるわとか、なんかいろんな人に感情移入しちゃって。でも改めてアイドルにとってファンの皆さんって宝物やと思った。たくさんの方に観てもらって、この皇太の気持ちも感じてもらえたらな、と。

──ここ最近は俳優として話題作への出演が続いている。昨年の映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」では黒髪の短髪姿になり小学校教師を、ドラマ「民王R」ではコネで総理の書生になった無垢で無知な青年を、キュートに演じきった。今「演じること」をどう捉えているのだろう。

 まだ全然、経験が少ないんですけど、楽しいです。僕の中にない感情を演じていくのは難しいけど、逆に自由やなって感じるんです。それこそ皇太でいえば、表に出しているおちゃらけた感じとか天然やったりする陽の部分と、心を許した人にしか見せない陰の部分、そのギャップがある感じは僕にもあるから共感できるんですけど、皇太は幼少期の孤独や大切な人を失った経験が心の奥に残っていて、それが彼の優しさや強さの源になっている。そこは想像するしかないから台本を読みながらいろんなパターンを考えて自分の解釈で演じさせてもらいました。そういう経験をもっといっぱいして場数を踏みたいので、想像もつかない、とんでもない役にも挑戦してみたいですね。

当たり前じゃない

──多忙な今、何をしている時間が一番幸せかを尋ねた。

 今です。この瞬間。初主演を務めさせていただいた映画をたくさんの人に観ていただけるように、こうして取材をしていただいたり、いろんな方が動いて力を貸してくれている、この特別な時間にすごく幸せを感じます。それって当たり前じゃないから。すごくありがたいことで大切な時間やなって。これからも感謝の気持ちを忘れずに精進しますので、よろしくお願いします!

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2025年6月30日号より抜粋

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