清水隆裕さん(右)、清水麻衣さん(撮影/MIKIKO)
清水隆裕さん(右)、清水麻衣さん(撮影/MIKIKO)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2025年6月30日号では、フコク産業の清水隆裕さんとJOLLYJOLLY店主の清水麻衣さん夫婦について取り上げました。

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妻25歳、夫31歳で結婚。長男(16)、長女(14)、次男(7)、次女(5)、三男(8カ月)と7人暮らし。

【出会いは?】妻の転職先の上司が夫だった。営業先に同行したり、職場の仲間で遊びに行ったりするうちに惹かれ合い、妻の退職をきっかけに交際を始めた。

【結婚までの道のりは?】妻は夫がご機嫌によく働き、よく遊ぶ姿に好感を持つ。夫が家業を継ぐ決断をした当時は赤字で「うまくいかなかったら屋台のおでん屋に戻る」と話した時、「面白そう!」と反応した妻とならば苦楽を共にできると確信した。長男を授かったのを機に結婚。

【家事や家計の分担は?】家事全般は妻、娘の幼稚園の見送りやトイレ掃除は夫。家計の財布は一緒、事業用の財布は別で、個人の支出は各自で出す。

夫 清水隆裕[46]フコク産業 代表取締役

しみず・たかひろ◆1978年、大阪府八尾市生まれ。大学在学中に屋台のおでん屋を起業。卒業後、飲食業の人材コンサルティング会社に就職。34歳で、父が経営するゴム・シリコン製品製造・販売を手がけるフコク産業へ。製造現場を経験しながら営業を広げ、43歳で4代目の社長に就任

自分にしかできない仕事は何やろう?と考えた時に、父を支え、町工場をもり立てたいと思って家業を継ぎました。

 初めは妻にも工場を手伝ってほしいと言って、入ってくれた時期もあります。家族経営で、幼なじみやご近所さんが働く環境で手伝うのが当たり前という風潮もありましたが、そんな中でも妻は子育てと家事をしながらパン作りや経営の勉強に励んでいたんです。本気が伝わりました。

 自分の夢を実現できる人って、僕からすると羨ましい気持ちもあって応援したい。前職が飲食業界で、妻の最初のパン屋も立ち上げからサポート。妻の夢は僕の夢でもあるし、子どもたちも楽しんでいる。そうやってみんなで応援できる方がいいじゃないですか。やりたいことやって同じ屋根の下でご機嫌に暮らせる方がお互い幸せですから。

 家業は新しく第2工場を作ってチャレンジしている段階で、波がある中でも元気に仕事ができるのは家族の安定があるからこそ。妻や子どもたちの笑顔が僕の原動力です。

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