早いものですね。今年もついに大晦日(おおみそか)。みなさまにとって、2016年はどんな一年でしたか。そして、間近に迫る2017年は、どんな一年になるのでしょうか。本日・大晦日は、新年の歳神様を迎えるための最終準備の日。暦はめぐって十二月から一月となり、新しい一年がまもなく晴れやかに始まろうとしています。

大晦日・年越しの過ごし方はさまざま。人それぞれ

慌ただしいうちに今年もあっという間に過ぎ去り、ついに本日は12月31日。一年最後の晦日、「大晦日」がやってきました。大晦日は一年最後の日ですから、大掃除のラストスパートやお正月用食品の買い出しやおせちの調理、鏡や門松などの正月飾りの準備、年賀状出しで朝から大忙しの方も多いかと思います。
そんな大晦日から元旦までの間が「年越し」。年越しの境目が除夜となり、新年の神、歳神様を迎えるために家族一同心身を清め、一晩中起きているのが、古くからの年越しの習わしでした。昔は忙しい間をかいくぐって年末ぎりぎりに美容院へ行き、晴れ着用に髪をセットしておめかしする女性も多かったようです。
昨今日本全国各地で盛んなのが、コンサートやカウントダウン、花火大会などの年越しイベント。例えば東京・渋谷では、スクランブル交差点や道玄坂付近が、31日夜(午後10時)から元旦未明(午前2時)にかけ、歩行者天国として解放されるのだとか。大勢の人と賑やかに盛大に新年を呼び込むのも、とびきり素敵な一年のスタートになりそうですね。

伊勢神宮では、31日夜~4日まで終日参拝が可能です

古くは陽が暮れてからが除夜となり、神聖な物忌みの夜とされた大晦日の夜。煩悩の数とも言われる108回の鐘が響く「除夜の鐘」には、旧年を払う(祓う)という意味合いが本来あるのだそうです。京都祇園の「八坂神社」のおけらまいりなどが特に有名ですが、同じ意味合いで火を焚く風習も、各地の神社で焚かれる大篝火として残っているようです。
三重県の伊勢神宮では、12月31日の午前5時~1月1日・2日・3日・4日まで終日参拝が可能になります。
(5日は午前0時~午後10時、6日・7日・8日は午前5時~午後10時が参拝可能な時間となっています)
大篝火が焚かれる夜の神宮を参拝できるのは、年末年始ならでは。浄闇のなか玉砂利を踏みしめ、荘厳な杜の所々に灯る炎に導かれつつ心身を浄化され、新しい歳神さまを迎えるひとときは、まさに心改まる一年の幕開けとなるはずです。
また、毎年訪れる近隣の人の中には、お餅を持参する方々も。そのお餅を各々工夫を凝らした網にのせ、神聖な篝火で焼き、「風邪をひかないように」「無病息災を」と願いつついただく光景が見られるのも、いつもと違った和やかさと温もりを感じます。
篝火の炎が燃えつき消えたころ、五十鈴川にかかる宇治橋の鳥居からきらきらと輝き昇って見えるご来光を望む早朝の参拝もお薦め。眩い光を浴びる清々しさとありがたさに、新たな年への希望が胸に溢れることでしょう。

「お屠蘇」の準備もして、こころ穏やかに新年を待ちましょうか

おせちに加えて、元旦から3日、あるいは5日間酌む「お屠蘇(とそ)」の準備もこの大晦日の早いうちにすませて、新年を迎えてみてはいかがでしょうか。
無病息災や長寿を願って飲まれるお屠蘇の由来には、「蘇」という悪鬼を祓う意味合いをはじめ、邪を屠り生気を「蘇生」させるという説もあるそう。単に日本酒を飲むことと思われがちでもありますが、本来は「屠蘇散(とそさん)」などと呼ばれる5~10種類の生薬を配合したものを漬け込んだ薬酒のことです。
新しい年の出発にあたり、新陳代謝の滞りを流し、身体を健やかに清め、長寿をはかるという「お屠蘇」。一家揃って酌む場合は、年少の者から順に年長の者に回すのが習わしです。作り方は至って簡単で「屠蘇散」一袋を清酒に浸し、一晩おくだけ。お好みに応じ味醂を配合すると、より飲みやすくなるようです。

よき一年を迎えるには、何と言ってもまず健康から。年末に知らず知らずに溜まった疲れなどもこの一献で癒され、よりいっそう実り多き一年を目指すことにもつながりそうです。
さあ、まもなく新しい年、2017年が始まります。どんな一年にしようかと、期待と決意にこころもふくらむ大晦日となりました。