どういうふうに生きたかが絶対に大事
常に全力で、生き方に後悔などなさそうに思える久本さんだが、もしも、30代、40代の自分や読者に、いま何かアドバイスするとしたら?
「やっときゃよかったなと思うのは、やっぱり語学ですね。英語をしゃべれたら、例えば旅行行くとか、あるいは誰かとコミュニケーション取るとか、最高に楽しかっただろうなと。コロナのときにちょっと習ったんですけど、もう脳がついていけなくて、アップアップになっちゃって。だから、何かに興味があるなと思ったら、すぐ行動すること。ま、そのうちに、とか思っていたら、あっという間に50、60だから。30代40代ってまだ頭の回転も速いし、体もいうこときくので、ヨガ習いたいなと思ったら、すぐ行け、英語習いたい? すぐ習え、って思っちゃう(笑)。
あと、やり残したことは、……人生のパートナーを見つけるっていうことも、ひとつだと思うんですけども、でも、すごい望みなのかって言ったら、そういう人に出会えたらいいなー、とは思うけれども、そこまで……だからダメなんだと思うんですけど(笑)。
まあ、人生何があるかわからないので、これから自分が目の前のことを一生懸命やり続けていくなかで見つけるものがあるかもしれません。
時間も大事だけど、やっぱりどういうふうに生きたか、ってことのほうが絶対に大事だから。心こそ、大切だと思いますね、本当にね」
そんな久本さんだからこそ、石井氏も「心のある芝居をしてくれると思う」と期待をかけているのだろう。舞台の見どころは?
「とても人間的で、何がいちばん大事なのかということを感じられる素敵な物語です。どんな舞台も、明日の活力になったらいいなとか、嫌なこと忘れてもらおうという思いで作ってるんですけど、このホームドラマは、足湯につかった心地よさっていうかね、じわーっと、身も心もあったまる、そんな舞台になるだろうなと思います。
自分のことで言えば、白無垢(むく)の美しい花嫁姿をご覧いただけたらうれしいかな? バカ殿にならないように、きれいにしていただくので(笑)」
そう笑った久本さんの顔はすでにして、最高にチャーミングな「花嫁」を感じさせた。(取材・構成/編集部・伏見美雪)
※AERA 2025年5月26日号
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