
そんな決意表明の3枚目を作っている中で「TATTOO」のカバーに中森明菜さんご本人が参加してくれることになり、また強い味方ができた気持ちになりました。明菜さんにアルバムに込めた思いをお話ししたら僕のほっぺに手を置いて「頑張ってくださいね」って言ってもらえた。「よし、音楽を楽しんでいくぞ!」という気持ちが増しました。
──バイラルヒットを連発する乃紫を迎えた「一億人の恋人」は推し活をテーマにしたデュエット曲だ。
香取:「昭和の歌謡曲感のあるデュエットソングを作りたい」と乃紫ちゃんに話しました。歌詞は乃紫ちゃんが僕のことだけでなく僕のファンの方が香取慎吾のことをどう思っているかを調べ上げて書いてくれました。今は僕がグループで活動していた頃より溢れんばかりのアイドルがいます。“パーフェクトビジネスアイドル”を謳っている身として改めて推し活というものを考えてみて、免疫力を高めてくれるとても素敵なものだと感じました。僕のファンの皆さんにももっと推し活を楽しんでもらいたいと思い、色々なアイドルの方のグッズを参考にさせてもらいながらソロツアーのグッズを考えていきました。
──SEVENTEENとのコラボ曲「BETTING」は、草なぎ剛の主演ドラマ「罠の戦争」の主題歌だ。
香取:曲制作をメインでやっているWOOZIくんとの打ち合わせはすべてリモートで行ったのですが、「何小節目のあの音をもっと低音にしたい」といった細かいやりとりを通訳の方を介してパソコンの画面越しに行うのは大変でした。
僕はお仕事をする方とはできるだけ自ら足を運んで直接お話しするタイプ。「うわ、香取慎吾本人が来た!」という反応をされることも多いのですが(笑)、間に人を挟むと思いがちゃんと伝わらないことがあるのでそのやり方の方がスムーズだし、愛があると思っています。「BETTING」はレコーディングを日本でやったので、やっとWOOZIくんに会えて嬉しかった。「Circus Funk」のCD化に伴いこの曲がラストに収録されます。アルバムに花を添えてくれる曲になりました。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2025年5月26日号より抜粋
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