KHJでは、毎月第3土曜日にオンラインで「ひきこもり当事者の兄弟姉妹」を対象とした例会を開いている。また、都内でも定期的にリアルな「兄弟姉妹の会」を開催するなど、兄弟姉妹の居場所づくりに力を入れている。池上さんはXで自身が支部長を務める「兄弟姉妹オンライン支部」の情報を発信中だ。Xのアカウントは、「@chakichakiike」。

 制度の狭間に取りこぼされた「8050世帯」に象徴される、ひきこもり状態にある人の親亡き後の問題は、今後ますます深刻化していくと見られる。池上さんは、ひきこもりの兄弟姉妹が負担を強いられる現状を変えるには、親亡き後の個々の実情を想定した国の保障が必要と説く。

「ひきこもり状態にある人は、社会や地域での人間関係に傷つけられていることが多く、無理して働かなくてもいいと思います。ただ、兄弟姉妹を頼らなくても、本人が生きていける保障を、社会でつくることが求められます」

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