
毎年多くのルーキーが入団してくるプロ野球の世界だが、やはり注目度が高いのはドラフト1位で入団した選手だ。今年も宗山塁(明治大→楽天1位)、伊原陵人(NTT西日本→阪神1位)、麦谷祐介(富士大→オリックス1位)が早くから戦力となり、金丸夢斗(関西大→中日1位)も勝ち星こそついていないがさすがの投球を見せている。では昨年注目を集めた2023年のドラフト1位で入団した選手はどうなっているのだろうか。2年目の現状を探ってみたいと思う(成績は5月18日終了時点)。
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2023年のドラフトで話題となったのは東都大学野球でプレーしていた投手たちで、合計7人が1位指名を受けてプロ入りしている。しかしプロ入り後は草加勝(亜細亜大→中日1位)、下村海翔(青山学院大→阪神1位)、西舘昂汰(専修大→ヤクルト1位)の3人がトミー・ジョン手術を受け、現在もリハビリ生活を送っている。
1年目に10勝をマークして新人王に輝いた武内夏暉(国学院大→西武1位)も今年の自主トレ中に左肘の不調を訴えて出遅れ、5月14日のソフトバンク戦で5回を1失点で今シーズン初勝利をあげたものの、その内容は本調子とは言えないものだった。昨年リリーフで結果を残した西舘勇陽(中央大→巨人1位)も今年は開幕から2試合連続で失点し、現在は二軍で再調整となり、昨シーズン終盤に一軍でプロ初勝利をマークした常広羽也斗(青山学院大→広島1位)も二軍で結果を残せずに一軍昇格を果たせずにいる。
また東都大学野球以外の大学から唯一1位指名を受けた投手である古謝樹(桐蔭横浜大→楽天1位)も昨年は5勝をマークし、今年も開幕ローテーション入りを果たしたが、不安定な投球が続いて現在は二軍調整中だ。彼らの現状を見ると、改めてプロで活躍するのが難しいことがよく分かるだろう。
ただその中でも確実に状態が上向いている選手がいることも確かだ。最も早くトミー・ジョン手術を受けた草加は4月30日の広島との二軍戦で実戦デビューを果たすと、いきなり三者連続三振で1回を無失点と完璧なピッチングを披露。ストレートの最速は151キロをマークするなど、故障前と比べてもスケールアップしたところをアピールした。さらに5月10日の広島との二軍戦でも2回を投げて被安打1、四死球0、2奪三振で無失点と好投。イニングをまたいでも球威、制球ともに落ちることはなく、順調な回復ぶりを見せている。このまま好投を続けていけば、近いうちの一軍デビューも期待できそうだ。