もう1人、2年目の成長を見せているのが細野晴希(東洋大→日本ハム1位)だ。昨シーズンは左肩の故障もあって一軍で2試合、二軍でも8試合の登板にとどまったが、今年は開幕から二軍の先発として好投。今シーズン一軍で初登板となった5月15日のオリックス戦でも味方の援護がなく勝ち星こそつかなかったものの、6回を投げて無失点と先発としての役割を果たした。大学時代からの課題だったコントロールが昨年と比べて明らかに改善したのが大きなプラス要因だ。ストレートも度々150キロ以上をマークするなどスピードも申し分なく、ツーシーム、スプリットという縦の変化球もしっかり勝負球として使うことができている。日本ハムの先発投手陣は強力で競争も厳しいが、左腕は加藤貴之、山崎福也とベテラン2人に頼っている状況だけに、チームの将来を考えても細野の台頭が重要であることは間違いないだろう。

 唯一の高校生投手だった前田悠伍(大阪桐蔭→ソフトバンク1位)は昨年二軍で12試合に登板して防御率1点台をマーク。今年もここまで5試合に登板して1勝2敗ながら、防御率は2.45と安定した投球を見せている。コントロールと変化球については既に二軍でも上位の力があることは証明しているだけに、一軍定着のためにはここからストレートの出力アップと質の向上がポイントとなりそうだ。

 一方の野手で存在感を増しているのが度会隆輝(ENEOS→DeNA1位)だ。昨年は開幕戦でいきなりホームランを放つ華々しいデビューを飾ったものの、徐々に成績を落として5月には登録抹消。6月に一度一軍に復帰を果たしたが、結果を残せずに夏場以降は二軍暮らしが続き、ポストシーズンでも出場機会を得ることはできなかった。しかし今年は開幕一軍入りこそ逃したものの、コンディション不良のオースティンに代わって4月6日に一軍に昇格。4月中旬からは外野の一角に定着し、ここまで31試合に出場して29安打、3本塁打、10打点、打率.266とまずまずの成績を残している。筒香嘉智、宮崎敏郎、佐野恵太といった実績のあるベテランが揃って成績を落としているだけに、このままの状態を維持できれば一気にレギュラー定着となる可能性も高そうだ。

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