「子どもは生まれてすぐに日韓のバイリンガル教育をはじめたのですが、そのせいで言葉の発達が少し遅れました。保育園でも韓国語で友だちと話すのが難しく、なかなか馴染めなかったようです。さらに大きなストレスになるのは、韓国では小学校3年生ごろから本格的に歴史の授業がはじまります。そのなかで日本との歴史的関係に触れないわけにはいかない。日本の帝国主義時代よりもはるか前の時代を勉強しているにもかかわらず、『日本は100年前に朝鮮を侵略した』と、わざわざ言及する先生もいる。

もちろん、それによって子どもがクラスの友だちや先生から露骨な差別を受けるわけではありません。ただ、友だちから『君のお母さんって日本人なんでしょ?』と聞かれること自体が子どもにとって大きなストレスになる。その問いかけが、『君のお母さんって、うちの国を侵略した“日本”という悪い国の人なんでしょ?』という意味に聞こえてしまうからです。小学校でさえこうなのだから、韓国史の授業がさらに増える中学校、高校ではどうなるのかと心配になる。こうした重荷も背負っていくことになるのが、日韓カップルの宿命だと思っています」
日本人女性に憧れる韓国人男性について、韓国人女性たちに聞いてみた。
韓国人男性と日本人女性のカップルが増えている現状に対して、韓国人女性たちの反応は概して冷淡だ。
「韓国人女性との恋愛や結婚に失敗した腹いせに、日本人女性との結婚に過剰な幻想を抱いているだけでは」と言う女性もいた。
日本人男性が気になる韓国人女性も少なくない。チェさん(2001年生まれ/大学院生・就職活動中)もそのひとりだ。
「私は昨年、語学研修で9カ月間埼玉に留学していました。その間に日本人男性とお付き合いしていたことがあり、今は友人としていい関係を保っています。
まだ結婚適齢期というわけではないので、“誰と結婚したい”というのは考えていませんが、日本人男性と結婚を前提にお付き合いをしたい気持ちはあります。もちろん韓国人男性にも素敵で性格のいい人はいるけれど、私の場合は旅行やグルメ、靴やバッグ、グッズなどの趣味や関心が合うのが日本人男性のほうだったんです。だから自然と、恋愛も結婚も日本人男性がいいかなと思うようになりました。だから、韓国人男性が“日本人女性と付き合いたい”と思う気持ちも理解できます」
増える韓国人男性と日本人女性との結婚は、韓国の若い男女の間で議論を呼んでいる。
(現地ジャーナリスト/ノ・ミンハ)
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