大屋根リングの上からは大阪湾や市街地が望める=米倉昭仁撮影

駐車場代が高すぎる

 ただし、不満もある。

 まず予約システムが複雑すぎる。万博ID発行、入場日時決定、チケット購入をへてパビリオンの予約・抽選に進む。その道のりは長く、面倒で、うんざりした。スマホやPCの操作に不慣れな人は諦めてしまうかもしれない。また、予約した入場時間が遅ければ、パビリオンの「当日予約」が事実上できないというのも不公平だと思う。

 また、今回の万博は、マイカーを会場近くの3カ所の専用駐車場に止め、シャトルバスに乗り継いで会場に向かう「パーク・アンド・ライド」が設定されている。記者もマイカーで大阪に入ったため、一度は検討したのだが、専用駐車場の料金が高すぎるのだ。「舞洲駐車場」は基本料金が5500円もする。ほか2カ所の駐車場の基本料金も5000円だという。

府知事は値下げ提案するも…

 宿の最寄り駅である「天下茶屋」と万博会場の「夢洲」の間は、地下鉄だと家族4人でも往復3440円で済む。交通費はできるだけ節約して、会場での食事代に充てたかったから、「パーク・アンド・ライド」の利用は見送った。パーク・アンド・ライドの利用が低迷しているというが、大阪近辺に暮らす来場者も同じことを考えると思う。

 5月7日、吉村洋文・大阪府知事は利用促進のため、駐車料金の値下げを提案したが、万博協会は「今の段階で『検討します』という状況ではない」としている。

公式マップの使い勝手に課題


 公式マップは、デジタル版も有料の紙版も使い勝手が悪すぎる。地図に描かれたパビリオンに名称が書かれておらず、そこに振られたアルファベットと数字で地図の枠外に記されたパビリオン名と対応しなければならない(紙版の場合)。

 会場内にパビリオンの混雑状況を示す表示がなく、実際に行って見ないと、どれくらい並ぶのかわからない。

 今回2日間、朝から晩まで会場に滞在したが、見学できたのは約160カ国・地域の施設のうち1割強だった。スタッフはみな親切で、丁寧に質問に答えてくれた。なじみのない国を知るきっかけとなる万博。特に子どもたちには、さまざまな国の人の生の声を聞ける貴重な機会を生かしてほしいと思う。

(AERA編集部・米倉昭仁)

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