「捕手の小林誠司です。ソフトバンクは開幕から出遅れたが、ここへきてAクラス入り目前。守備の要の重要性を再認識、今後へ向けた若手捕手育成を含め、経験豊富で人格者の小林に任せたいらしい」(巨人0B)

「これまでも多くの球団が小林獲得に動いたとされる。しかし巨人では将来の幹部候補生と言われる人材。成績以上に有形無形の影響があるため、話はまとまらなかった。今回はどうなるかに注目したい」(スポーツマネージメント会社関係者)

 各球団編成部は自チームの弱点を常に把握、他球団選手をチェックしている。言葉は良くないかもしれないが、岡本の負傷が市場を動かしたと言える。

「(岡本)和真は球界を代表する選手になった。夢であるメジャー挑戦へ向け肉体改造にも励み、以前より俊敏性も高まった。色々と思いはあるだろうが、まずは焦らずに完璧な状況になって一軍へ戻ってきて欲しい」(巨人OB)

 MLB関係者も、巨人関係者と同様に今後に注視しているとされる。(岡本が)メジャー挑戦願望を持っていることは周知の事実で、評価も高いからだ。

「メジャー球団は安定した選手を好む傾向がある。岡本は大きな波もなく安定した結果を残し続けている。今回の怪我も持病ではなく突発的なものなので、今までの評価が下がることはないはずだが……」(MLBアジア地区担当スカウト)

 岡本の海外FA権取得は今回の件で2027年以降にずれ込む見込み。よって早期渡米には巨人がポスティング制度を認めなければならない。この先が不透明だからこそ、優勝を争うチームへ1日も早く復帰して周囲の期待に応えることが重要だ。

「(岡本)和真の代わりはいないからね」と巨人・阿部慎之助監督は5月15日の広島戦(マツダ)後に呟いた。離脱以降は攻撃力が低下しチームも苦戦が続く中、巨人関係者、ファンの誰もが1日も早い復活を待ち望んでいる。

 2014年ドラフト1位でプロ入りしたスラッガーは、メジャーも注目するスター選手になった。今回の怪我で球界に大きな動きが起きたことも岡本の存在価値を証明している。超一流選手たちがぶつかり合う姿こそ、プロ野球の醍醐味。一軍の舞台で勝負強い打撃を再び見せてくれる日を、まずは待ちたいと思う。

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