
元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。
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ルワンダでは、我らツアー参加者が支援するNGOが活動する、いわゆる「貧困地域」の見学もあった。日本から送ったささやかなお金が積み重なり、遠いアフリカの地に学校が建ち、子どもたちの栄養状態が改善し、各家庭に安定した収入をもたらしていた。それはなんとも不思議な、そして嬉しい光景だった。それを支える現地スタッフの明るさ、熱意、エネルギーに触れられたのも良かった。
だが一方で、複雑な気持ちも湧いてきたのである。
我らは支援する側だ。有り体に言えば「恵まれた国」の人が「気の毒な国」の人を助ける。そういう構図である。