
しかし、この2200枚をどうやって消費したらいいのだろう、考えただけで途方に暮れる。
実は実家の掃除中に硬貨を1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉と種類別に分けた。それだけでもかなりの手間だった。
1円玉と5円玉以外は、なんとか消費できた。20枚ずつにまとめた硬貨を財布とは別に袋に入れて持ち歩いて、すぐに出せるようにした。財布から数えながら出すと時間がかかる。セルフレジなら多くの場所で20枚まで入ることに気づいた。この“20枚パック”をたくさん持参した。30枚までOKというコンビニを見つけると30枚パックも作った。こんな地道な生活を半年ぐらい続けた。だが残ったうちの1円玉集団に頭を抱えている。
高齢者の小銭問題については、こういうのを聞いたことがないだろうか。
「認知症の高齢者は財布がパンパンに膨らむ」
小銭の計算がうまくできない→お札で払う→財布がお釣りであふれるのだ。
小銭が財布にどんどんたまっていく
認知症の人だけでなく、レジでまごついたりして周囲に迷惑をかけたくないから、小銭を使わない高齢者もいる。50代の主婦は言う。
「うちの義母は『レジで後ろの人を待たせるのは悪いから』と、いつも買い物はお札で支払う。小銭が財布にどんどんたまっていく。それに気づいた夫が、小銭を箱に入れておくようにしてもらい、実家に帰った時にお札と交換しています。夫は週末、神社に参拝するのがルーティン。小銭が必要でいつもためているんです」
小銭をもて余す人もいれば、必要な人もいる。そこで「どこで使えるのか」記者が考えてみた。
まず小さなマルシェ(市場)やフリーマーケット。記者は月1回地元で開催されるファーマーズマーケットで野菜や花を買う時に小銭の財布を持参している。
また、10円玉は自動販売機で使う。銀行のATMを利用する際に財布に小銭があれば数百円でも入金するようにしている。自販機やATMのような機械相手ならば気を使わないで済む。