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 時代はキャッシュレス。スマホやICカードなどによるタッチ決済が増え、現金を使う場面が減った。自宅に眠る小銭の使い道に悩む人も多いだろう。この小銭たちをどうしたらいいのか。

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「すみませーん。止まっちゃいました」

 セルフレジに入れたお金が詰まってしまう。慌ててやってきた店員がレジを開けて硬貨を入れ直す。そして言う。

「小銭は20枚まででお願いしますね」

「はい……すみません」

 その後ろでイラつく客からのヤジが飛ぶ。レジは長蛇の列なのだ。

 多くの金融機関が窓口での硬貨の両替に手数料を取る。「現金でのお支払いお断り」という店も出てきた。

 じゃあ、どこで小銭を使えばいいのか。そんな声が聞こえてくる。たかが小銭、されど小銭。小さな「銭」が大きな悩みになっている。

 記者も実家の掃除中に出てきた大量の1円玉を抱え「これを今日の昼食代にするぞ」とルンルンで最寄りの大手銀行の窓口に行ったことがある。が、けんもほろろに担当者からこう言われてしまった。

「何枚あるか数えてから来てください。数えていない硬貨は受け付けられません」

両替するのはやめた

 袋ごと持って行けば、すぐに大きなお金に両替してもらえるとばかり思っていた。そして手数料の高さにも驚いた。

 私が持ち込んだ1円玉は2200枚あった。その銀行窓口での両替手数料は、501~1000枚では1540円、1001枚以上は500枚ごとに770円かかるという。つまり、1円玉2200枚(=2200円)を3000円以上かけて両替するということになる。もちろん両替するのはやめた。

 お金の専門家で元銀行員の菅井敏之さんはこう話す。

「銀行にとって小銭処理は非効率業務なんです。管理コストがかかり“違算リスク”もある。今後も有人店舗の削減は進みます。手数料徴収の流れは変わらないと思います」

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