と、エコノミストである私は、もちろん、こうした傾向は出産前から知っていましたし、どうしたらチャイルドペナルティに陥らないようにできるかと、ずっと考え続けてきました。しかも、こういう働き⽅をしているので、休んでいてはダメだ!と考えていました。 そんな焦りから、⾚ちゃんを抱っこしながら出産1カ⽉後にオンライン会議参加、夫とシッターさんを頼りに2カ⽉後にはクライアント業務、3カ⽉後には全国出張をするという、スーパーダッシュ態勢を取りました。仕事もする! ⼦どもとの時間も⼤切にする! 全部⼤切にする! とガムシャラでした。まさに、チャイルドペナルティなんかに負けるか、 なんなら「チャイルドブースト」(⼦どもがいることをパワーに収⼊アップするという意味)してやるという意気込みでした。

 実際、チャイルドブーストに関する研究は多数存在しており、仕事と⼦育ての両⽴から学んだタイムマネジメントスキルなどが年収に影響することも指摘されています。しかし、 体⼒もメンタルも追いつけず、少し休憩が必要なようです。しばらくは、休憩しつつ低速モードで仕事をすることを決断しました。

 そして、この決断から感じたのは……社会や制度が整っても、やはり育児と仕事の両⽴は⼤変! むしろ、⼀時的に専業主婦、専業主夫を認める、それを促す制度や税制が出⽣率に影響するのではとすら感じます。休憩は⼤切です。壊れる前に、ぜひ休憩して⻑い⼈⽣と向き合いたいと思います。

(連載「崔真淑の経済がわかった!」はしばらく休載します)

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