横川楓さん
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 株式投資をめぐって「困っている」という話題が続いています。ひとつは、アメリカの「トランプ関税」の影響で持っていた銘柄が下落し、利益がマイナスになってしまったというもの。もう一つが、投資に使っている証券口座の「乗っ取り」です。

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 私の周りで投資をしている人の間で最近、話題にあがっているのが、証券口座の乗っ取り被害について。投資に使っている証券口座を何者かに乗っ取られてしまい、持っていた銘柄を勝手に売られてしまったり、買われてしまったりして損をしてしまった……なんていう話が、SNSなどでも増えてきています。
 

証券口座『乗っ取り』急増、2カ月半で1454件 金融庁が注意喚起」(4月18日配信、朝日新聞デジタル)

証券口座を乗っ取られ、勝手に中国企業株などを購入される被害が急増している。不正取引は2月~4月中旬で1454件に上り、金融庁が注意を呼びかけている。


 記事によると、楽天、SBI、野村、SMBC日興、マネックス、松井の証券6社から、被害の報告が金融庁にあったそうです。

 被害の内容としては、何者かが盗んだパスワードを使って他人の証券口座にログインし、保有していた投資商品を勝手に売却したり、ほかの株式など買い付けたりすることで、大きな損失を与えているというもの。

 通常であれば、利益が出るタイミングを考えて株式などを売却するわけですが、それを無視して売られてしまうので、せっかく手に入れた銘柄で利益を得ることができなくなります。

 また、まったく買う気のなかった銘柄を買われてしまえば、それが大して価値のないものであれば、二重に損をしてしまうわけです。
 

証券会社の対応は

 ネットバンキングであれば通常、不正利用された被害者に過失がないならば、銀行側が原則、被害額を全額補償することになっています。

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