被害者に過失があった場合などでは補償の範囲が変わり、取り戻せる金額が減ってしまう可能性はありますが、とはいえ被害にあったときの補償があるのはありがたいことですよね。
一方で、ネットの証券業界は原則、補償はありません。会社側に過失がない場合は個人に対しての責任を負わないとされています(利用規約にそのように明記されている場合もあります)。
多くの人がネット証券で投資をしていると思いますが、何かがあった時の補償がないというのは怖いところです。
そして、この「乗っ取り」の被害の広がりを受けて、証券各社では被害を補償する動きがあると伝えられています。
「証券口座乗っ取り、顧客へ被害補償を検討 日証協が証券各社と調整」(5月1日配信、朝日新聞)
証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、勝手に株式などの売買が行われている問題で、証券各社が顧客に被害を補償する方向で検討していることがわかった。日本証券業協会は、業界として一定の補償基準を示すため、各社と意見調整を進めている。基準づくりでは、顧客の過失の有無や程度に応じた補償の範囲などが焦点になる。
利用者の過失の有無や程度に応じて、補償の範囲がどうなるか……今後の動きが注目されます。
個人でどんな対策をすれば
証券口座にログインするには、パスワードが必要です。まずは、パスワードをわかりにくいものにすること。たとえば、名前などから連想できるものではなく、アルファベットや数字、記号を無意味に並べたものなどです。
そして、パソコンでログインするときに別のスマホに表示させたアクセスコードを必須にするといった2段階認証です。
万が一、パスワードを盗まれたとしても、簡単にはログインさせないことが重要です。