フルサイズ用の新定番標準ズーム
初代EOS 5Dと同時に登場し、キヤノンの代表的な標準ズームレンズになった24.10ミリF4が11年ぶりにモデルチェンジII型になった。
初代モデルも安定した高性能を誇り定評があったが、高画素化への対応が行われたのだろう。4枚の非球面レンズを使った12群17枚構成で、手ブレ補正も2.5段から4段に向上しており、利用シーンが広がった。
フォーカスリングやズームリングはEF24-7mm F2.8LIIUSMと同じで、Lレンズとして統一感があり、落ち着いた雰囲気があるのは好感が持てる。EFレンズには同じズーム域のEF24-10mmF3 .5-5.6IS STMもあるが、このレンズはLレンズだけあってF値固定だし、距離指標もある。
ただし、旧レンズからの買い替えとなると悩ましいところだ。実際に撮影してみると操作感も向上しているのもわかる。極端な画質向上は感じられないものの絞り開放から十分使え、画質の均質性が高いイメージもある。
今回はEOS 5d Mark IVから少し遅れての発売になったが、キヤノンEFフルサイズ用の定番レンズになることは間違いないだろう。
デザイン
高級感のある雰囲気になった。フードにもロック機構がつき、位置のズレや脱落の心配がなく使いやすくなった。重さは前モデムから125グラム増の約795グラムだがバランスはよい
使用感・操作感
ズームリング、フォーカスリングともに適宜なトルク感がたいへん心地いい。AFスピードも良好。手ブレ補正の利きもよく信頼性が高い。24~10ミリというズーム域も日常的に使いやすい
描写性
開放からの実用性能は十分。焦点距離、撮影距離による差異も感じない。明るさに無理がないため画質の均質性も良好。万能的な標準ズームレンズである
◆赤城耕一
●焦点距離・F値:24~105ミリ・F4●レンズ構成:12群17枚●最短撮影距離:0.45メートル●画角:84°~23°20'●フィルター径:φ77ミリ●大きさ・重さ:約83.5×118ミリ、約795グラム●価格:税別15万5000円(実売15万660円)●URL:http://canon.jp/