誰も指摘しない

「保護者が見ていない練習で体罰があるなど、顧問の指導方法が気になる。でも、それが公になると、対外試合に影響するかもしれないので、誰も指摘しません」(岡山県、60代以上、男性)

 前出の内田教授も、一部の部活動が過熱するあまり、「闇化」している現状を危惧する。

「闇部活が行われていることを学校は知っているのに、あえて口出ししないケースが多くあるようです」(内田教授)

部活動が「闇化」する怖れ

 全国大会出場など、学校のイメージアップにつながる「強い部活動」には校長であっても口出ししづらい雰囲気があるという。校長より顧問の教員のほうがその学校での勤務年数が長い場合はなおさらだ。

 ユカリさんが指摘した「闇部活」も、その部活で数十年前から行われてきた「伝統」なのだとすれば、学校が全く知らなかったとは考えづらい。

「教員の働き方改革の一環で部活動が見直されるなか、『これでは強くなれない』と、闇に潜っていく部活がある。その動きが広まらないか、心配です」(同)

 7年前に部活動のガイドラインができてから、活動量の規制は年々強化されてきた。その規制逃れとして行われる闇部活。周囲も見て見ぬふりをすることが多く、問題が発覚するケースは氷山の一角にすぎないという。

(AERA編集部・米倉昭仁)

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