大阪・関西万博の開会式であいさつする吉村洋文大阪知事
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「万博がこけたら、維新もこける、終わってしまう。いま、2人寄れば、そんな話で持ち切りですよ」

【驚愕】まるで池!雨が降った後の万博会場予定地の駐車場(工事中)

 こう話すのは、日本維新の会の国会議員、A氏だ。

 4月13日に大阪・関西万博が開幕したが、初日から問題山積だった。

 13日は午後から雨風が強い悪天候となったが、万博の目玉である木造建築の「大屋根リング」を含め、会場内には雨風を防ぐ場所が少なく、あちこちで悲鳴があがった。傘や雨合羽は売り切れ。パビリオンや飲食店には入場を待つ人たちが雨に濡れながら長い行列をつくった。とりわけ問題になったのは、会場への入退場。入場は電子チケットのコードをかざす方式だったが、インターネットがつながりにくく、長い行列ができた。午後になると嵐のような天候に帰宅する人が続出したが、一方で午後に来場してくる人もいる。大動脈の地下鉄夢洲(ゆめしま)駅では、来る人、帰る人がぶつかり合う形になり、地下鉄に乗ろうとしても1時間以上かかる時間帯もあった。

「どうなってるねん。並ばない万博やないのか」

 と食って掛かる来場者もいたし、SNSでは、〈#万博ヤバい〉がトレンドになった。

 4月16日、維新の代表で、国際博覧会協会の副会長でもある大阪府の吉村洋文知事は記者会見で万博について、

「万博会場には初日から3日続けて足を運んでいるが、多くの方が笑顔で楽しんでいただいている」

 と言ったものの、初日に噴出した問題については厳しく受け止めているようで、改善の必要性を明言した。

「初日は、午後から嵐のような荒天で、横殴りの雨と非常に強い風。ブルーインパルスの飛行が悪天候で中止になる状態でした。入場退場のオペレーションについては、雑踏事故防止のために一定制限をしたことで混雑が生じた。安全対策のためと聞いている。始まったところなので、できるだけ平準化のオペレーションをしていき、スムーズな入場を実現するように改善を重ねていくことが重要だと思っています」

 初日の惨状が響いたのか、朝日新聞社が4月19、20日に実施した世論調査では、大阪・関西万博に、「行きたい」が32%で、「そうは思わない」65%の半数以下だった。

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