
17年秋の園遊会には、音楽プロデューサーの小室哲哉さんも招待されている。小室さんは、同じ年の3月にベトナムを上皇ご夫妻(当時の両陛下)が訪問した際に、ハノイで開かれた晩餐会で、盲学校の子どもたちと一緒に演奏を披露している。両国の架け橋となるべく音楽を通じた活動を評価されたものだった。金髪にスタイリッシュな細身のスーツでたたずむ姿も絵になるのは、さすがの存在感だ。
09年には大阪府の橋下徹知事(当時)や女優の桃井かおりさん、フリースタイルスキー・モーグルの上村愛子さん。橋下知事は、明るい笑顔で取材に応じ、園遊会が始まると隣に立つ上村さんとも和やかに談笑する場面も。
園遊会に複数回、招待されるケースも珍しくない。昭和天皇の時代から園遊会に何度か出席している俳優の黒柳徹子さんもそのひとり。
職員らが準備した椅子で園遊会が始まるまで黒柳さんが体を休める様子は、2016年春の園遊会のときのひとコマだ。現在91歳の黒柳さんだが、このときすでに80歳を超えていた。
園遊会は、各分野で功績を評価された人物が招待されるため、五輪選手などをのぞいては高齢の招待者が多くなる。悪天候や暑い日もあるため、陛下や皇族方との懇談を待っている間に体調を崩してしまう招待客は毎年おり、宮内庁としても招待客に負担をかけない行事の進行は課題だった。

そうした経緯もあり今回の園遊会からは、陛下と皇族方が歩く経路が変更された。これまでは陛下と皇后さまを先頭に他の皇族が続く形式であっため招待客の待ち時間も長くなり、また皇室メンバーと交流できる招待客はごく一部に限られた。
今回から、ひとつめは両陛下、2つめは秋篠宮ご夫妻と常陸宮妃の華子さま、寬仁親王妃の信子さま、三笠宮家の瑶子さま、高円宮妃久子さま、3つめが両陛下の長女の愛子さまと秋篠宮家の次女の佳子さま、三笠宮家の彬子さま、高円宮家の長女の承子さまの3ルートに分かれ、より多くの招待客と交流できる形になった。