
誤解から批判を受けたことも
一方で、小西さんの活動に、批判や偏見を持つ人もいる。実際これまで、「色っぽいことで障がい者からお金を巻き上げようとしている」「偽善者」などと、厳しい声が飛んできたことも一度や二度ではない。
また、“本番行為”がある売春行為と、“本番類似行為”として合法化されている性風俗とを混同し、「障がい者相手に売春するなんて」と、誤認から非難されることもある。
日本では、売春防止法によって売春は犯罪とされているが、ヘルスなどの性風俗は売春とは異なる。だがその線引きを理解せず、売春と性風俗とをひとくくりにして考える人もいる。
「さまざまな意見が出るのは仕方のないこと。大切なのは、なぜそうした意見が出るのかを考え、誤解がないようにどう伝えていくかを考え続けることだと思っています。
悩みを相談できる場をつくりたい
利用者と対等な関係であるからこそ、対価をもらうビジネスにしているのに、“やってあげている”という見られ方をするのはなぜなのか。私たちは同じ人対人として、利用者と関わっていきたいという思いを前提に活動をしていますが、同時に世間に根強い偏見があると感じます。それも受け止めて、伝え方のブラッシュアップにつなげていけたらと考えています」
YouTubeなどでの発信や講演を通じ、小西さんの活動に共感し、思いを同じくする仲間も少しずつ増えている。障がい者向けの性サービスの担い手はまだまだ少ないが、今後はオンラインサロンも立ち上げ、横のつながりを広げる活動をより積極的に行っていきたいと計画中だ。
「どの地域に住んでいても、公平にサービスを受けることができ、悩みを相談できる場をつくれたらいいなと思っています。障がいと性は、まだまだ見て見ぬ振りをされがち。課題を共有しながら、障がいがある人も当たり前のように、自分の性を実現できるように活動を続けていきたい」
(構成/ライター・松岡かすみ)