満員の観客と「栄光の架橋」を熱唱するゆずと、伝統芸能の出演者たち。会場が一体となった
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 3月26日、郷土芸能や音楽、祭りのパワーで地域を盛り上げることを目的とした「わっかフェス」が、富山で開催された。北陸では初の開催となった今回は、ゲストにゆずを迎え、地元の伝統芸能と、横浜の大学生、石川からは御陣乗太鼓も参加した。AERA 2025年4月21日号より。

【写真】昨年のわっかフェスの様子はこちら! 「夏色」を歌うゆずとなまはげのコラボ

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「わっかフェス」の後半戦、大歓声で迎えられたのは、北川悠仁(ゆうじん)さんと岩沢厚治(こうじ)さんのフォークデュオ「ゆず」だ。

 1曲目の「虹」から観客は総立ち。大人気曲「夏色」では、パフォーマンスを披露した「新湊・二の丸町獅子方若連中」も登場し、舞台上でまきも行われた。

 全7曲。ラストの「栄光の架橋」では、総勢約100人の出演者全員がステージに上がり、観客・出演者が一体となり、盛り上がりの中、終演した。

継承されることが大切

 ステージ終了後、北川さんに本番を終えた感想を聞くと、楽しそうにこう話した。

「15年ぶりの最高の夜になりました」

 ゆずの富山でのコンサートは15年ぶり。今回は自分たちのライブだけではなく、すべてが盛り上がるようにと思いステージに立ったという。

「何より、お客様が本当に素晴らしくて」

 そして、わっかフェスには「輪の力」があると言う。

「石を投げ込んで波紋が起きていくような。例えば、僕らがやっている大衆音楽と伝統芸能が出合うことで化学反応が起き、波紋が大きく広がっていく。それが、客席にも届いてお客様にもいろんな思いを抱いていただける、そういう輪が繋がっていくものだと思います」

 伝統芸能は、時を超え、人から人へと受け継がれていく。伝統芸能の魅力を、北川さんは次のように話す。

「初めて見る形だったり、初めて見るスタイルだったりしても、どこか懐かしさを感じる部分がどの伝統芸能にもあるんですよね。DNAレベルでそのことを知っているんだなって、伝統芸能と出合うと感じます」

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