「全部球が甘かった。反省点?そうですね。何事も経験です」と雪辱を誓った19歳の左腕だったが、2年目以降は1軍登板のないまま、翌10年にわずか3年の現役生活を終えた。

 最後は現役のロッテ・松川虎生を紹介する。

 市和歌山時代は高校通算43本塁打を記録した強打の捕手と注目され、2022年にドラフト1位で入団。3月25日、楽天との開幕戦で故障の正捕手・田村龍弘に代わり、2019年の藤原恭大(ロッテ)以来の高卒新人の先発出場を実現した。

 4月10日のオリックス戦で佐々木朗希の完全試合をアシスト。同24日のオリックス戦では、佐々木が白井一行球審とトラブルを起こした際に、咄嗟の機転で仲裁に入ったシーンも印象深い。さらに高卒新人捕手では史上初のファン投票による球宴出場を果たすなど、シーズンを通じて1軍に帯同し、76試合に出場した。

 だが、2年目以降は出場機会が激減し、今季も2軍スタートと試練の日々が続いている。まだ21歳。攻守に磨きをかけて、1日も早く復活への足掛かりを掴んでほしいところだ。

(文・久保田龍雄)

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