
フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会は3月31日、一連の問題についての報告書を公表した。元タレントの中居正広氏が起こしたフジアナウンサーだった女性との間のトラブルを「性暴力」と認定した上で、フジの対応を「経営判断の体をなしていない」などと痛烈に批判。社風についても「人権意識が低く、セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質」とした。同局に再生の道はあるのか。ネスレ日本の元社長で経営アドバイザーの高岡浩三氏に、「自分がフジの経営陣だったらどうするのか」という視点で、改革プランを語ってもらった。
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大前提として、今回の報告書ですべてが明らかになったと考えるのはとんでもない話です。第三者委員会の弁護士たちは一生懸命に仕事をしたと思いますが、100%公正な調査はできないし、期間はわずか2カ月強。企業の内情を完璧に把握するなど不可能です。報告書では複数のハラスメントについての指摘がありましたが、氷山の一角でしょう。
真相究明において第三者委員会は突破口を開いたけれど、それでシャンシャンと幕引きせず、社内で調査を続けるべきです。実態を把握しきれていないうちに処分を急げば、「トカゲの尻尾切りだ」と社内で不満がまん延しますし、処分後にさらなるハラスメント事案が週刊誌などで報じられたら、恥の上塗りで目も当てられない。
私はネスレ日本の社長を務めていた当時、労働組合の幹部全員と月に一度ミーティングをし、社内にパワハラなどの問題がないか確認していました。そういった距離の近さこそ、現場の声を吸い上げるために必要な姿勢だと思います。