ロッタン戦を控える武尊(c)ONE Championship
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 昨年1月の中止から1年を経て、遂に拳を交える武尊とロッタン(「ONE 172: 武尊 VS ロッタン」3月23日さいたまスーパーアリーナ)。対戦までには波乱にも見舞われたが、それを乗り越えての実現に「引き寄せ合う運命だった」と武尊は語る。世界最高の激闘ファイター2人がぶつかる一戦で、生き残ることはできるか。

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 武尊が「THE MATCH 2022」で那須川天心と対戦したのが6月19日。8日後の22年6月27日、会見を行った武尊は休養に入ると発表した。だが、同年末に「やりたい選手がいる」と復帰を表明。年が明けた23年5月にはONEチャンピオンシップと契約を結んだことを明らかにした。

「日本対世界の対抗戦をやりたい。僕のONE参戦をきっかけにそういう大会に繋がっていけば」

「戦いたい相手がONEチャンピオンシップの選手の中にいた。それが一番の決め手」

 参戦にあたり武尊はこんな言葉を残した。

 武尊が直接名前を挙げることはなかったが、参戦が発表されると意中の相手=ロッタンは即座に反応。「絶対に武尊と戦いたい」とONEがそのコメントを報じた。

 武尊は翌月(23年6月)パリで試合を行い、ISKA K-1ルール世界ライト級王者に。このベルトを手土産にいよいよONE参戦を開始する。

 ONEは23年末に4年ぶりとなる日本大会(24年1月28日)の開催を発表。出し惜しみすることなく、いきなりロッタンと武尊の一戦をメインに据えた。

 しかしロッタンは練習中の左手負傷により大会を欠場。試合は武尊とONEフライ級キックボクシング王者スーパーレックとのタイトルマッチに差し替えとなった。

 スーパーレックは武尊戦に先立つ23年9月、ヒジ打ちが許されオープン・フィンガー・グローブで行うムエタイマッチでロッタンと対戦。2.27㎏と大幅な体重オーバーのあったスーパーレックだがロッタンは試合を望み、スーパーレックが2Rにヒジでダウンを奪って判定勝ちを収めた。

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武尊の頭には再び“引退”の2文字がよぎるも…