藤浪晋太郎
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 マリナーズとマイナー契約を結び、招待選手としてスプリングトレーニングに参加している藤浪晋太郎(30)がメジャー昇格を目指して苦闘している。

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 藤浪は3月7日のドジャースとのオープン戦で8回から救援登板。内野ゴロで簡単に二死を取ったものの、死球、四球で走者を出して二死1、2塁のピンチを作った。次打者を三振に抑えて1回を無失点に抑えたが、この日は22球を投げてストライクは8球だけと、制球に苦しむ様子だった。前回登板の3日のオープン戦・ガーディアンズ戦では7回から登板し、1回を1安打無失点に抑え、このときは制球力も安定していた。だが、その前の2月27日のジャイアンツ戦では1回持たず1安打3四死球4失点と大乱調。ここまでオープン戦に4試合登板して防御率は9.82。メジャー昇格への道は険しい。

「何試合も好投を続けないと信頼をつかめません。最大の課題は再現性です。良い投球をしても続かない。もちろん、どの投手も登板する時によって状態の違いはあるのですが、藤浪の場合は好不調の波が激しすぎる。1イニング目は良かったのに2イニング目に四球を連発するケースもあるので、首脳陣は計算しづらい」(米国で取材する通信員)

 最速160キロ近い直球を投げ込むのは大きな才能だ。阪神に入団1年目の2013年から3年連続2ケタ勝利を挙げ、15年には最多奪三振(221)のタイトルも獲得した。だが、その10年前がピークで、制球難から崩れる試合が増え、1軍にも定着できなくなった。

 環境を変えたい思いもあったろう。22年オフにポスティングシステムでメジャーに挑戦。アスレチックスに入団し、23年のシーズン途中でオリオールズに移籍したが、やはり制球難で苦労した。それでもこの年は2球団で計64試合に主に中継ぎで登板し、7勝8敗2セーブ、5ホールドを挙げている。メッツに移籍した昨年はオープン戦で結果を残せず、マイナーに降格。3Aで14試合に登板したがやはり制球難が解消できず、メジャー登板なしに終わった。昨年オフにマリナーズとマイナー契約を交わしている。

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