ライカカメラ ライカ ゾフォート
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「チェキ」フィルム採用のインスタントカメラ

 SOFORT(ゾフォート)と名づけられたライカのインスタントカメラは、その仕様を見てもわかるとおり、富士フイルムのチェキ「instax mini90ネオクラシック」(実売1万7440円)をベースとしたOEM製品だと思われる。ただし、縦位置撮影が基本のチェキと異なり、こちらは横位置撮影が基本。せっかくなので元になった(と思われる)チェキと撮り比べたが、写りに差はなかったものの、機能や操作系の違いに気づかされた。例えばローレットのあるレンズ外周部分は2段階のフォーカス切り替えダイヤルになっていて、液晶部のピント範囲もアイコンではなくメートルで表記されている。遠景撮影時にしか触らないが、ボタン操作で「山」のマークを呼び出すよりは素早くセットできるし、∞の表記もありカメラ的で気分がよい。ほかにも撮影モードに「自撮り」と「アクション&スポーツ」の2項目があり、写真の明暗コントロールは基準の明るさに対して明るめ/暗めの2種類で「より明るく」が省略されているなどわずかだが機能の違いがある。このギミックの差と鎮座するライカマークに満足感を得られれば買いだろう。
 今回の試写では富士フイルムから販売されているフィルムを使ったが、11月の発売に合わせてライカからもカラー/白黒の2種類が発売される。

公園でライブをしていたミュージシャンのまつもとかなみさん。逆光ぎみだったが、結果は期待以上。インスタント写真はその場でプレゼントすることも多いので人物の写り具合は重要なポイントだが、これなら十分●自動・ストロボ強制発光・instax miniフィルム
公園でライブをしていたミュージシャンのまつもとかなみさん。逆光ぎみだったが、結果は期待以上。インスタント写真はその場でプレゼントすることも多いので人物の写り具合は重要なポイントだが、これなら十分●自動・ストロボ強制発光・instax miniフィルム
背面液晶をほぼ全表示させた状態。分類的にはもはやトイカメラの扱いのインスタントカメラではあるが、安っぽく見えない表示とデザインになっている
背面液晶をほぼ全表示させた状態。分類的にはもはやトイカメラの扱いのインスタントカメラではあるが、安っぽく見えない表示とデザインになっている
「3m-∞」にセットして撮影したが、ルーペで確認すると対岸の様子は自動モードよりほんの少し解像感が高いのは確認できた。しかし、画面が小さいこともあるので風景的な被写体よりは近距離撮影向きのカメラだ●遠景モード・instax miniフィルム
「3m-∞」にセットして撮影したが、ルーペで確認すると対岸の様子は自動モードよりほんの少し解像感が高いのは確認できた。しかし、画面が小さいこともあるので風景的な被写体よりは近距離撮影向きのカメラだ●遠景モード・instax miniフィルム

◆宇佐見健

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●レンズ:60mm(35mm判換算で34mm相当)・F12.7。撮影範囲(電動3点切り替え):0.3~0.6m(接写モード)、0.6~3.0m(標準モード)、3.0m~∞(遠景モード)●ファインダー:光学実像式ビューファインダー0.37倍。ターゲットマーク付き。接写モード用視差補正付き●使用フィルム:ライカインスタントフィルム(カラーとモノクロ)、Instax miniフィルム●シャッター速度:1/400~1/8秒●撮影モード:自動、自撮り、人物&パーティー、アクション&スポーツ、バルブ(長時間露光)、接写、セルフタイマー(2秒/10秒)、二重露光●露出関係:オート。露出補正:-0.7~+0.7EV。連動範囲:LV5~15.5(ISO800)●フィルム記録サイズ:62×46mm●バッテリー寿命:約100枚●大きさ・重さ:約124×94×58mm・約305g●価格:3万4560円