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「いまの天皇陛下は、生まれたときからテレビメディアに囲まれ、幼少の時期から撮影されることを意識してこられ、上皇后さまも『カメラに慣れさせないといけない』といった趣旨のことをおっしゃっていた。それは、平成や昭和の天皇とは全く違う点です」
幼少のころから向けられてきたカメラに、すっかり慣れたご様子の陛下。1970年に大阪万博を訪れた10歳の浩宮さま(陛下)は、三菱未来館のステージでアニメ「おそ松くん」のキャラクターであるイヤミの「シェー!」のポーズでおどけたこともあった。
自身でもネットでレストランをリサーチ
そして陛下は、インターネットにも早い時期から接してこられたようだ。
天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまがまだ小学生だったころ、栃木県の那須御用邸に滞在中、近くにあったレストランにご一家で立ち寄ったことがあった。
当時の事情を知る関係者によると、陛下ご自身がインターネットでリサーチをして、このときに訪れたレストランに決められたのだという。
また、昨年に開設された宮内庁のインスタグラムは、投稿されている大半が公務の写真だが、栃木県の御料牧場に滞在中にご一家でサイクリングをしたり、タケノコ掘りをしたりといったプライベートな写真も投稿されている。そのなかには陛下ご自身が撮影した雅子さまや愛子さまのショットもある。
宮内庁がインスタグラムを始め、ウェブサイトもリニューアルして国民との距離を縮めようとしている背景について、河西さんはこう話す。
「もちろん、令和の天皇の同意がなければ実現しません。そして陛下は比較的、新しいツールがお好きなお人柄なのでしょう」
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炎症とストレス
幼少のころから論語や古典の教養を学び、将来の天皇となるべく教育を受けてきた陛下。人びとの前では穏やかな笑顔を絶やさないが、長年身近に接してきた人たちが、陛下の抱える重責を感じとる場面もあったようだ。
皇太子時代、身近に接する立場にあった人物はかつて、こんな話をしたことがあった。
「ある時期の皇太子さま(陛下)の頭皮には、炎症がありました。ご本人はいつも穏やかで、努めて明るく振る舞っておられる。何もおっしゃらない。しかし、皇太子さまが抱えるストレスの強さを感じました」
この人物は、陛下と過ごす時間にはイージーリスニングの音楽を流し、すこしでも心地よい空間になるように心がけていたという。