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天皇陛下は2月23日、65歳の誕生日を迎えられた。この1年、皇室はインスタグラムを始め、今月12日には宮内庁のウェブサイトを大改修。一般には入れない皇居・宮殿を360度パノラマ画像で紹介し、ご一家のプライベートな写真も含めた情報の発信などに取り組んでいる。その背景には、新しいツールも柔軟に取り入れる天皇陛下の「個性」も影響していると専門家は指摘する。
【写真】「自撮り」にニコニコの笑顔で応じる天皇陛下はこちら!
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デンマーク・コペンハーゲンの青い空を背景に、笑顔で写真に収まる天皇陛下(当時は皇太子)。その隣では、あごヒゲ、スキンヘッドとすこし強面のハイネさんが、陛下と顔をくっつけるようにしながら笑顔を見せていた。
2017年6月にデンマークを公式訪問中だった陛下と一緒に撮影されたセルフィー(自撮り)写真は、SNSで拡散され、話題となった。
国民との距離の近さで知られるデンマーク王室。当時のマルグレーテ女王の住まいである宮殿前の広場は国民に開放され、皇太子や王族が自分で車を運転して外出することも珍しくない。
そんなお国柄もあってか、デンマークを訪れ、コペンハーゲンの運河沿いを散策していた天皇陛下にも、市民たちは気軽に声をかけてきた。陛下も笑顔で、
「ここにはよく来るんですか」
などと話しながら、握手を交わしていた。そんな陛下に市民のハイネさんも記念撮影を求め、陛下も笑顔で応じたのだった。
陛下はこの年の4月にも、公式訪問していたマレーシアで、ナジブ首相(当時)から求められてツーショットの自撮り写真を撮影。首相はその写真をツイッター(当時)とフェイスブックに「日本の徳仁皇太子とセルフィーを撮影できた」と投稿し、こちらも話題になった。
象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉准教授は、そんな令和の天皇の個性を、こう分析する。