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戦後生まれの天皇のモンゴル訪問
「令和流」が色濃く出るようになった皇室だが、戦後80年にあたる今年は、重要な訪問が検討されている。被爆地である広島や長崎、多くの住民が戦火に巻き込まれた沖縄のほか、太平洋戦争末期の激戦地である小笠原諸島の硫黄島の訪問だ。
そして前出の河西さんは、7月に調整されているという両陛下のモンゴル訪問に注目する。
モンゴルでは1945年の終戦後、1万4千人ともいわれる旧日本軍の兵士らが旧ソ連によって移送され首都ウランバートルでの強制労働に従事させられるなどし、多くの日本人が帰国を果たせずに命を落とすことになった。
今年、定義上は「高齢者」である65歳になられた陛下。限られた在位の期間を意識せざるをえない年齢になったと、河西さんは指摘する。
「ご本人も『戦後生まれの天皇である自分に何ができるのか』を、真剣に考える正念場に来ていると感じていらっしゃるはずです。そうしたタイミングでモンゴルを訪問し、令和の天皇が何をされるのか。私自身も見たいと思います」
(AERA dot.編集部・永井貴子)
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