
曲を聴いて号泣
中島:ミナミがこの作品の主題歌でもある「I still」をライブで歌うシーンでは、リクの感情にとても寄り添っていて数秒でも曲を聴くと号泣しちゃうんですよ。もう感情を抑えられないから、監督にリハ開始10分ぐらいで強制退場させられました。
milet:アハハ! いなかったね。
中島:でも逆に、テイクを重ねて泣けなくなってしまう現象にハマったときはミナミが助けてくれた。もう一つの世界で二人の距離が縮まる大事なレストランのシーンでしたが、時間もない、もうラスイチの本番に行く5秒前ぐらいかな、突然、ミナミが手を握ってくれて「リク、私たちは愛し合ってたんだよ」と。そのまま「本番、ヨーイはい!」で俺、もうダー(涙が流れるジェスチャー)。
milet:めっちゃ泣いてたね。でもあれは涙を流してほしいから言ったわけじゃなくて、あの切ないシーンを見たら、きっとお客さんもそう思うだろうと。それを伝えたかっただけだけど、お役に立ててよかったです。
中島:いや、その一言で二人のいろんなシーンを思い出したの。女優2周目ぐらいの信じられない引き出し方をするから、あなた何作目ですか?って(笑)。
milet:1作目です(笑)。
――リクとミナミはそれぞれの才能を認め合うことで夢に向き合う力を得る。表現者である二人にも、そんな場面はあったのか。
中島:わりと近年ですが、様々な環境の変動があって自分の表現に迷っていた時期に千鳥のノブさんが「ケンティーは1人で立つエネルギーがものすごい。大丈夫、ちゃんと成立してるから、どこに行っても自信持っていいと思うよ」と言ってくれた。ジェントルですよね。それは凄く力になった。感謝してます。