トレンディドラマに出演していた頃の常盤貴子(1997年)

「男はつらいよ」で寅さんの妹役も

 エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、常盤の魅力についてこのように分析する。

「豊川悦司とダブル主演を務めた1995年の『愛していると言ってくれ』が代表作の一つですが、96年から98年にかけて『真昼の月』『ひとり暮らし』『理想の結婚』『最後の恋』『めぐり逢い』と立て続けにTBS系の連続ドラマで主演を務め、まさに時代の顔になりました。木村拓哉と共演し、最終回の視聴率が41.3%という驚異的な数字を記録した2000年の『ビューティフルライフ』はファンだけでなく、多くの人の心に刻まれていることでしょう。30代から40代にかけては少しずつ単発ドラマにシフトしながら役の幅を広げていき、近年では『贋作 男はつらいよ』で桂雀々演じるフーテンの寅の妹・さくらを演じていたのが印象に残っています。50代に突入してもなお俳優として大きな存在感を発揮しており、とても良いキャリアの重ね方をしていると思います。年齢とともに演技に厚みが増しているのは、一人の人間として、充実した実りある生き方をしているからではないでしょうか」

 話題となっている「御上先生」でも、物語のキーパーソンとしてますます存在感を発揮してくことになりそうだ。

(高梨歩)

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