志田氏は、ここに投資妙味のある銘柄のヒントがあると話す。

「値上がりが顕著な東レ、TSI(東京スタイルとサンエー・インターナショナルが経営統合)などは、業績が絶好調の企業ではなく、ROE(自己資本利益率)は1~4%台という低い水準です。しかし、積極的な自社株買いを発表したことで、高値を更新している。同様に、ほかの低ROE銘柄はガバナンス強化の一環で、今後、自社株買いを進める可能性がある。なぜなら、製造業を中心に資本が大きすぎるばかりにROEが低水準になっている銘柄が少なくないからです。自己資本比率が高水準の銘柄は、アクティビストの圧力も加わりやすい。こうした低ROEのバリュー株は高配当を維持している銘柄も多いので、自社株買いによる値上がり余地と配当効果から今後、人気になりやすいと見ています」

 約30年ぶりの金利水準の世界へ。あなたはどうする?

(ジャーナリスト・田茂井治)

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