欲望を持った彼女の生活に色どりが増す。しかしエテロはあくまでマイペース。自らの生活を大事にしながらムルマンとの逢い引きを楽しむ。
ある日彼女の身に心配なことが起こった。下腹部からの出血に子宮がんではないかと思うエテロはムルマンの求婚を断り、都会の病院へひとり向かう……。
「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」は黒海とカスピ海に挟まれた小国ジョージアのエレネ・ナヴェリアニが同国の作家タムタ・メラシュヴィリの小説を原作にメガホンをとった。
かけがえのない出会いは何げない日常の中にある。そんな当たり前のことに気づかされた。だから日々の生活を大切にしよう。そんな思いがしみじみした。
さて、本作の結末は……。
まさに驚きだった。今すぐにでも話したいが、やめておこう。
忘れえぬエンディングです。どうぞご覧になってください。
(文・延江 浩)
※AERAオンライン限定記事