AERAで連載させていただいた「じゅうにんといろ」のマギーさんとの対談の中で、僕がマギーさんに「僕、真ん中をやりたいんです」って相談したエピソードもありましたが、当時からやりたいこととか思ったことは全部口に出すようにしてきたんです。大きな会場でライブに立てたことで、一つ夢がかないました。
「放課後カルテ」では主演を務めさせていただいて、ここでも夢を実現することができました。撮影期間中には北村一輝さんとの対談もあって、「現場を俯瞰して見て、自分の立ち位置や振る舞いを意識する」「表現方法は無数にある」という助言はすごく勉強になりました。
ゴールはスタート
「じゅうにんといろ」が終わってしまって寂しいですが、どの対談も僕にとって大切な学びがあって、夢を後押ししてくれるような言葉もたくさんありました。
夢がかなっていく中で「ゴールはスタートライン」ということも実感するようになりました。
――2025年も新たな挑戦が待っている。1月22日から世界初演となるミュージカル「ケイン&アベル」に主演。イギリスの国民的作家、ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作としたオリジナル・ミュージカルだ。
松下:2009年、僕の俳優としての出発点はミュージカルでした。歌うことは元々好きでしたし、歌の新しい表現方法として面白いな、一人で歌うときとは違う感動があるなって当時感じたことを覚えています。やればやるほどミュージカルは大変で難しいということも(笑)。6年間、ミュージカルから離れていたのでいろいろなことを忘れかけていたんですが、それを今まさに改めて感じています。
歌稽古で僕が演じるケインのソロナンバーに初めて挑んだとき、あまりにもすごすぎて笑ってしまいました。僕が演じるのはニューヨークで一番大きな銀行の跡取り。頭取になるときに、父が残した銀行を自分が守っていくという決意を込めて歌うんです。